交通事故と損害賠償(2)〜弁護士の利用法〜
2013年1月23日
交通事故と損害賠償(2)〜弁護士の利用法〜
弁護士に相談する時って?
保険会社相手の交通事故の損害賠償で、弁護士を使うべき局面は、大きく3つに分かれます。1.過失の認定、2.後遺障害の認定、3.損害額の認定です。
過失の認定とは
1は100%相手方が悪い、というタイプの事故では問題になりません。たとえば、青信号で横断信号を歩行中のところを車に轢かれたような場合です。ですが、双方ともに問題があるという事故の方が数としては多いのです。そこで、問題になるのが、どちらの過失が大きいかという過失割合の問題です。これは、事故当時の警察の実況見分調書や現場のタイヤ痕、信号サイクルや、当事者の供述を証拠として判断されますが、専門的な知識と証拠の収集力が問われます。このようなことが問題になったときは弁護士を入れると解決がスムーズになるでしょう。
後遺障害の認定とは
2の後遺障害の認定、これは、医師が「これ以上は治療で良くならない」というタイミングを見定めて、ありやなしを判断する、医療の分野とも思われます。実際にもそうなのですが、医師の診断書への記載の仕方一つで等級が違ってしまったりすることもありますから、診断書に疑義があったら早い内に相談するべきです。また、レントゲンなどでは、障害が判別できないのに、被害者本人はいつまでも痛みや痺れに悩まされるような場合にも、後遺障害が問題になることが多いです。一度は、後遺障害はないとの結果となっても、異議申立という再審査の手続を弁護士代理で申立て、等級認定が出るケースはあります。諦めないで相談することが大切な分野と言えます。
損害額の認定とは
3の損害額、これは被害者の方にとっては、もっとも大切で切実な問題です。保険会社は当然ながら、少しでも支払を安くしようと考えますし、一般の方には、慰謝料等の相場感覚はわかりません。ですので、最初の賠償額を提示するときに、休業損害のような金額が明確な損害ではなく、慰謝料を低めに出してくるという傾向が一般的に見られます。また、休業損害についても、収入の証明が難しい仕事などで争いになることがしばしばあります。このようなとき、証拠集めのプロである弁護士の助言を受けて、損害額がアップするケースはたくさんあります。
現在は弁護士費用特約がついた保険商品も多いので、無料で弁護士を依頼できる場合もあります。これで示相談してよいのか迷ったら、是非一度相談されることをお勧めします。
2013/1/10
弁護士 裵明玉(ぺみょんおく)
(「新婦人きた」へ寄稿)
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