クーリングオフを活用しよう!
2014年9月25日
一定の期間、無条件に契約を解除できるクーリング・オフ。高齢の方を狙った消費者被害が後を絶たない昨今、クーリング・オフの正しい知識を身につけることが大切です。
- クーリングオフは、消費者保護のために、法律が特に認めた契約が対象となります。訪問販売(キャッチセールス・催眠商法など)や電話勧誘販売、連鎖販売取引(マルチ商法)、エステティックサロン、語学教室、パソコン教室などです。
広告を見て電話やインターネットで申し込む通信販売では、クーリング・オフはできません。 - クーリングオフができる期間は、法律で決められた事項が書かれた契約書類(「法定書面」といいます)を受け取った日から数えて8日(連鎖販売取引などでは20日)以内とされています。
重要なのは、「法定書面」が渡されていない場合や、書面に不備があるときは、8日(20日)間の期間は進行せず、いつまででも、クーリング・オフができるということです。また、業者に脅されたり、「この取引はクーリング・オフできない」「使用した商品はクーリング・オフできない」などと嘘の説明をされたりして、クーリング・オフを妨害された場合には、業者から改めてクーリング・オフができる旨を記載した書面を渡されてから一定期間を超えるまで、クーリング・オフができます。契約書が渡されていても、「法定書面」に当たらないケースも多いです。迷ったら、消費生活相談センターや弁護士に相談することをお勧めします。 - クーリング・オフの通知は、書面で行う必要があります。後々の証拠とするためには、内容証明郵便などの記録が残る方法で送るべきです。クレジット契約もしている場合には、クレジット会社にも通知する必要があります。
- クーリングオフをすると、申込みや契約を一方的になかったことにできます。受け取った商品などは業者の負担で引き取ってもらうことができますし、払ったお金は返してもらうことができます。このクーリング・オフの効果は、書面を発送した時に生じます。
2014/6/13 弁護士 裵明玉(ぺみょんおく)
(「年金者しんぶん」へ寄稿)