【離婚】不貞行為の慰謝料を支払わせた事案
2020年7月15日
不貞行為というのは、いわゆる不倫のことです。離婚を請求できる理由の一つとして民法770条1項2号に掲げられていますし、相手の不貞によって婚姻関係を破綻させられたという点については、不法行為(民法709条)として慰謝料を求めることもできます。
離婚にともない不貞の慰謝料を請求する事案は少なくありません。
不貞行為それ自体に対する慰謝料は、配偶者と不貞の相手方の両方に対して請求することができます。
これに対し、不貞により離婚を余儀なくされたことに対する慰謝料は、不貞相手に対して請求できるかどうかの見解に争いがありましたが、近年、最高裁が、離婚慰謝料は原則として配偶者に対してのみ請求できる、とする立場を示しました(最判平31年2月19日)。
妻が不貞し、不貞の相手方との子どもを出産したという事案では、不貞行為それ自体を不法行為として、元妻と不貞相手の男性を相手に訴訟を提起しました。
そのケースでは、不貞期間の長さや、不貞期間中に不貞相手の子を妊娠し中絶していたことなどの事情が考慮され、350万円という比較的高額な慰謝料が認められました。