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ホウネット通信

読書のしおり(10)国際結婚レポート&エッセイ〈ダーリンシリーズ〉三修社

2013年12月13日

 小栗左多里の『ダーリンは外国人』のまんがはよく知られている。ダーリンのトニーは愛すべきキャラでこのシリーズはよく売れているらしい。同様の国際結婚レポートで三修社から出ている『ダーリンはアメリカ人』『ダーリンはイギリス人』他スペイン人、ドイツ人、マレーシア人、シンガポール人、バリ人、タイ人のシリーズもおもしろい。

 どの本も国際結婚をして現地に住む日本人妻のエッセイである。どの本も章建てが1、見る! 2、聞く! 3、匂う! 4、味わう! 5、触れる!となっている。日本人同士の結婚でも地域や年代によって考え方が違い、摩擦もけんかも起こる。国際結婚ではさぞかし大変だろうと思うが、「違って当たり前」という前提があるからかその違いを驚き、楽しみ、悩み、乗り越えていてそれぞれの国でたくましく生きている。

 まず、結婚にいたる過程、同居の有無、子供の教育、言葉、嫁姑関係、医療、仕事等ヨーロッパとアジアの国の違い、同じヨーロッパでもイギリスやドイツとスペインとの違い、自分のことなら深刻になることも他人事なので日本と比較しながらおもしろく読める。

 バリ人の男性は働かなくていいから、自分が男性ならバリ人がいいか?でも宗教行事で一生を終るのは無理かなあ。とか、子供を持つならスペイン人がいいなあ、マザコンだから、でも夫にするのは嫌だな。自分の夫の親族でも勝手に来て冷蔵庫を開けてというのは無理、義理の母親があれこれ介入してくるのは楽か苦かなど他愛もないことを思いながら暇つぶしに読むには最適。

 どの国の日本人妻もそれぞれの国で言葉の壁を乗り越えて働き、家庭を切りまわし、たくましく生きている。妻の目からみたそれぞれの国の風習や日本との違いがおもしろい。週刊誌のようにお気楽に読めるのもいい。

2013/12/13 長谷川弘子

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