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ホウネット通信

「暮らしと法律を結ぶホウネット」秋の連続法律講座法律講座 「交通事故−保険会社との対応について」のご報告です。

2010年12月1日

「暮らしと法律を結ぶホウネット」が開催した法律講座につき、下記のとおりご報告します。

2010秋の連続法律講座「交通事故−保険会社との対応について」

日時:2010年10月6日(水)午後6時30分〜8時30分

会場:名古屋市北生涯学習センター 2階 第1集会室

講師:弁護士伊藤勤也(名古屋北法律事務所)

法律事務所に寄せられる相談のうち、交通事故に関するものは大きな比率を占めます。交通事故による被害者は毎月8万人弱という数字に上り、多くの方が当事者となっています。今回の講座では、被害者側の立場から、保険会社とのやり取りにおいて役立つ基礎知識が話されました。受講された方は23名で、関心の高さがうかがえました。

 まず、保険には万が一のときの補償を考えて加入するものですが、保険会社は会社の利益を考えて営業をしているので(当然と言えば当然のことです)、保険会社の「誠意」を期待して待っているだけではダメ、「『被害者の味方』というわけではない」ということを念頭に置く必要があると強調されました。

 続いて、保険会社に補償を求める際の、損害額の計算についての解説です。治療費はどこまで出してもらえるのか、交通費は・・・とか、仕事を休んだときの休業損害について、後遺症が残った場合・死亡してしまった場合の逸失利益(いっしつりえき)についての考え方、慰謝料を請求する際の考え方などが詳しく説明されました。

 「よく争点になる点」の解説では、「症状固定」の概念についてと、固定時期を決める色々な考え方に力点が置かれました。また、休業損害を計算する際の「基礎収入の算定」をめぐる裁判例などが紹介されました。

 質疑応答では、次のような質問が出されました。

・加害者も被害者も、双方が保険に入っている場合、被害者は両方から保険金をもらうことができるか?

    → 答え:損害額の枠内でなら両方からもらえる

  ・母親が事故に遭ったのだが・・・

    → 答え:(個別の相談になるので)法律事務所にご相談を

  ・歩行中に車が突っ込んできた。加害者は保険会社が代理人になっているが、私は車ではなかったので、保険会社は付かない。弁護士に頼むとお金がかかるが、相手の保険会社から払ってもらうお金よりも弁護士費用の方が高くなってしまうのではという不安がある

    → 答え:弁護士に着手の段階で支払う着手金の額が、相手の保険会社から支払われた金額を上回ってしまうことはあるので(もちろん結果論、後からしかわからないが)、どのくらいの見込みになるか、費用面の不安も含めて法律事務所に相談してみてください

  ・事故が「第三者調査機関に回る」と言われたが、どういうことか

    → 答え:それは、いくつかの保険会社が共同出資して設けている独立機関。専門家で、調査への信頼度は高いが、「味方」になってくれるということではない。

たくさんお集まりいただいたみなさま、ありがとうございました。

事務局K

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