退職のお話し
2020年1月27日
近年多い労働事件の相談で、「辞めたいのに辞めさせてくれない」というものがかなりあります。特に、若年労働人口が減少をし、人手不足の分野等では辞められると新たな求人が大変であることから、辞めたいと申し出た労働者を執拗に慰留したり、ひどい例では替わりの人を見つけてこない限り退職させないというものもあります。
日本では憲法22条1項で職業選択の自由が認められています。誰もが、自由に職に就いたり、職を辞めたりできます。期間の定めのない雇用契約は特段の定めがなければ2週間前に告げれば辞める事が出来ます。就業規則で1か月前に申し出ると規定されていれば、それが適用されますが、2か月や3か月といった余りにも長い期間を定めていると無効とされるようです。また、使用者が同意をすればいつでも合意で退職をすることができます。
最近、労働者が自分で言いだせない退職の申出を代行するという業者が出てきています。ただ、単に退職と言っても、会社との間では一定程度の話し合いをしなければならない場合もありますし、未払い残業代があると疑われる場合等にはきちんとした請求をすることが必要です。そのため、退職の代行を依頼する場合も弁護士に相談をすることをお勧めします。
弁護士 白川秀之 (名古屋北法律事務所)
(「年金者しんぶん」へ寄稿した原稿を転載しています)