受動喫煙対策の義務化で何が変わる?
2018年9月20日
7月18日、受動喫煙対策を強化する改正健康増進法が成立しました。
今までは努力義務に過ぎなかった受動喫煙対策が義務化され、多くの人が利用する施設は原則として屋内禁煙、学校や病院、行政機関は敷地内禁煙とされました。都道府県などの指導や勧告、命令に従わない違反者に対する罰則も定められました。対象となる民間事業所では、改正法の全面施行日となる2020年4月1日までに対策を講じる必要があります。もっとも、今回の改正では広い範囲で例外が認められています。
まず、飲食店については、個人・中小企業(資本金5000万円以下)が経営する客席面積100㎡以下の既存店は、店頭に「喫煙可能」などの標識を掲げれば、喫煙を認められます(厚生労働省の推計では全体の約55%が例外の対象)。ただし、喫煙が許される小規模飲食店でも、20歳未満の客、従業員の立ち入りは禁止です。事務所でも、煙が室外に流出しない専用の喫煙室を設ければ、喫煙が許されます。
しかし、同時期に作られた都の受動喫煙防止条例はさらに厳しい内容で、規制強化の動きは他の自治体にも広がりつつあります。将来的には規制はさらに厳しくなると見込まれます。今回の法改正を機に、他の企業に先駆けて受動喫煙対策を講じることも選択肢の一つとして検討されてはいかがでしょうか。
弁護士 裵 明玉 (名古屋北法律事務所)
(名古屋北部民商ニュースへ寄稿した原稿を転載しています)