~15周年特集 交通事故-後遺障害非該当を異議申立により覆した事例
2016年7月12日
(1)後遺障害
交通事故賠償の実務においては、後遺障害の認定というものが非常に重要な意味を持っています。
「治療を続けてももうこれ以上良くならない」という状態になったとき、後遺障害に認定されれば、その後遺障害についての慰謝料や、収入への影響(逸失利益)が、損害として認められることになります。
交通事故によるけがで最も多いのが、いわゆる「むち打ち」(頚椎捻挫)という症状ですが、これは治療を続けても完全には治らないということがよくあります。
そうしたとき、被害者としては後遺障害として認めてほしいと思うのが常なのですが、認定を行う機関は、単なる自覚症状だけでは、なかなか後遺障害としては認めてくれない(これを「非該当】と言います)実情があります。
(2)事案
そんな「非該当」の判断を受けた方について、異議申立てを行うことにより覆した事例を紹介します。
依頼者は、非該当の結果に不満を持ち、当事務所に来られました。
CTやMRIといった画像上での異常は認められず、頸部の痛みや手足のしびれと言った自覚症状だけが残存しているという状態でした。
そこで、私は、通っていた病院のカルテをすべて取り寄せ、その内容を子細に検討し、被害者が現在の症状を一貫して主張していることを確認するとともに、現在の日常生活への影響を訴える陳述書も添付するなどし、異議申立書を作成しました。
その結果、幸いにして、14級9号という後遺障害に該当するという判断を得ることができました。14級は、後遺障害の中でも最も低い等級ですが、慰謝料や逸失利益として得られる賠償は、決して小さくありません。
粘り強い主張とそれを裏付ける資料により、一旦なされた後遺障害の判断を覆すことは不可能ではありません。このような事例は他にも多くありますが、良い結果を得ることができたのは、被害者の方の強い熱意と根気による後押しがあったからだと思います。
名古屋北法律事務所は後遺症の認定を覆した事案の経験も多数あります。詳しくはこちら
弁護士 鈴木哲郎(2016年3月31日退所)
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