茶谷さんのヨーロッパ旅行記 3
2006年2月2日
胸躍るフランス。国民主権の二つの革命に世界の人々を導いた国。
ジュネーブは国境の街である。フランス入国はパスポートを開いて見せるだけ。パリまで新幹線である。スイス在住の女性ガイドが「JR西日本のような事故は決して起こりません。秒を争う時間帯はフランスにはありません」という。新幹線は左右二つづつのゆったり座席。日本の三つ座席に改めて文句をいいた くなる。
(1)憧れのパリ。「王制をブルジョアが倒すのに300年を要した。パリコンミューンからまだ150年である」というブルジョア革命、社会主義革命という二つの革命を論じた平野喜一郎先生(年金者大学の資本論講座講師)の「映画と弁証法」の一説を鮮明に想い出す。
(2)ルーブル美術館・オルセイ美術舘を自由時間に訪ねる。「モナリザ」「笛を吹く少年」に感慨は沸かない。ドラクロワ、シャバンニなどの社会・戦争画に胸が躍る。フランスは人類の先頭を切った「国民主権の国」という強い印象を受ける。
(3)ヨーロッパの労働者・農民は「自由が欲しい」という商人達(ブルジョワジー=企業家)を信じて「共和制=国民主権」を擁護するために共同して戦う。し かし、「宗教改革のプロテスタント=ルッター」にも農民戦争では弾圧を受ける。こうした試練を長い間受けた労働者と農民に限りない共感を覚える。私達の戦後60年のたたかいは苦労の連続であるが、300年の歴史的教訓に「まだまだだ」という想いを抱く。
(4)セーヌ河の舟遊びは旅行者にはひとときである。しかし、休日でない午後8時(サマータイム)でも両岸は市民が大勢楽しんでいる。「5時過ぎて働く人は特殊な職業だけ」ということに事実を見て共感する。
(5)フランスの地下鉄は「乗るときだけ切符を入場機械に入れる」「降りる時は自動ドアーで自由」である。均一料金だから出来る合理性に共感する。
(6)ノッポビルはパリの一角だけ、フランスも旧来の町並み保存には積極的である。なぜ、「こんな街並みが残っているのか」という疑問が残る。フランスは ヒットラーが占領した街である。ガイド曰く「ヒットラーも軍隊が集結していないところは爆撃していません」という。映画「無防備都市」は事実である。
(7)パリの町々には限りなく、人類の先進のたたかいがあったのだと胸が締め付けられる。
ヨーロッパ旅行は以上で終わりである。しかし、いいことばかりではない。次回は、問題点について書きます。