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事務所だより

映画『明日へ紡ぎつづけて』を観て

2009年10月19日

仲間と共に

9月26日、名古屋市北文化小劇場にて山本洋子監督の「明日へ紡ぎつづけて」上映会が行われ、参加してきました。
映画は、1950年代の愛知県内やその周辺の繊維工場を舞台にして、集団就職のために全国から集まった中学を卒業したばかりの少女たちが、人間らしい働き方を求め、劣悪な労働環境を改善するために労働組合を通して闘った様子を、関係者のインタビューを基にドキュメンタリー形式で描いています。

印象に残ったのは、映像の中の女性たちは当時も現在も、表情がとても生き生きとしているということです。過酷な長時間労働の後で組合活動に専念し、また、そのことで、使用者からいやがらせや、他の労働者との待遇差別を受けながらも、彼女たちが笑顔を絶やさずにいられたのは「人間らしい生き方をしたい」という同じ願いを持った仲間たちと、励まし合い、支え合うことができたからであり、また、活動の中で憲法や労働法を勉強することで、自分たちが要求していることは、人として、労働者として当然に認められる権利だという自信を持つことができたからだと思います。

彼女たちのその生き生きとした表情は、労働者派遣法の下、個々に分断され、低賃金でいつ解雇されるかわからないといった劣悪な環境で働かされている現代の多くの労働者たちに、人間らしく生きるために、一人でも多くの仲間と繋がり、労働条件の改善を要求していくことが重要だと訴え、また、彼女たちが当時、実際に労働条件を改善してきたのと同様に、現代でも現状は変えられるという希望を示しているように思いました。

2009年10月
事務局 S

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