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知って得する法律情報

交通事故と使用者の責任

2008年7月1日

従業員が事故を起こした場合

 従業員が事業の最中に車を使って事故を起こして加害者となった場合、事業者は責任を負うのでしょうか。
従業員が事業に際して、人をけがさせてしまった場合には、原則として会社は被害者に対して損害を賠償しなければなりません。それは、会社が従業員が車を運転をすることによって利益を得ていると言え、法律で言うところの「運行供与者」にあたるからです。
では、業務と無関係に会社の車を運転していた場合はどうでしょうか、この場合には会社が、社用車の回をどのように管理していたのかが問題になります。管理がずさんであったり、業務外での運転を黙認していたような場合には会社は責任を負わなければなりません。
そして、交通事故による損害賠償額は年々上昇傾向にあり、被害者が重い後遺症をおうような場合には損害額が1億円を超えることもあり得ます。それに対して、強制保険で賠償される額は最高で3000万円であり、自賠責保険では賠償し切れません。事業に際して車の使用が不可欠な場合には、自動車保険に加入するなどすることが必要になると言えます。
ただ、上記は自賠責法の適用がある場合なので、自賠責法の適用がない物損事故の場合は使用者は責任を負わないかというとそうではありません。従業員が業務に関連して人に損害を与えた場合には民法715条1項に基づいて、使用者は責任を負わなければなりません。

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