知的財産法(4)−商標の登録−
2012年5月23日
知的財産法(4)−商標の登録−
商標権を取得するには、特許庁に商標登録出願をし、審査を経て登録査定を受ける必要があります。今回はこの登録制度について見てみましょう。
Q1.商標登録の出願手続はどのようになっているのでしょうか?
A1.特許庁のこのページをご覧ください。
これで終わってはあまりに芸がないので、出願の際のルールをいくつか紹介します。
(1)商品・役務(サービス)の選択
商標を使用するのは、「商品」または「役務(サービス)」なので、出願する場合には、商標を使う「商品」「役務」を選ばなければなりません。「商品」とは、「商取引の目的となる物(動産)」のことをいいます。有価証券や不動産は商標法上の商品ではありません。また、「役務」については、「他人のために行う労務または便益であって独立して商取引の目的となるもの」とされています。
(2)一商標一出願の原則
一つの商標登録出願では、一つの商標しか出願することができません。ただし、一つの商標について複数区分に属する商品または役務を指定することができます。たとえば、「北法律」という商標を出願するとして、それを「ボールペンとスナック菓子に使用したい!」と考えれば、商品は複数ですが一つの出願でできるのです。スナック菓子のネーミングセンスとしてどうかとは思いますが。
Q2.商標は一度登録されれば永久に保護されるのですか?
A2.いいえ、そうではありません。
商標権の存続期間は、設置登録の日から10年をもって終了します。もっとも、商標権者の更新登録の申請により更新することができます。申請は、存続期間満了前6か月から満了の日までに行うのが原則ですが、期間満了後であっても6か月以内であれば、更新登録料と同額の割増登録料を納付することで、更新の申請ができます。
次回は、登録された商標権の効力について説明する予定です。
2011/12/27
弁護士 鈴木哲郎
(ホウネット中小企業メールマガジンより転載)
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