遺言のすすめ 〜 遺言書の作り方
2012年3月21日
遺言のすすめ 〜 遺言書の作り方
1.遺言の方式
遺言には主に自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3つの方式があります。それぞれのメリット、デメリットを知って、最も遺言者の目的にかなった遺言を作成することが肝要です。
(1)自筆証書遺言
遺言の存在、内容とも秘密にでき、遺言者が単独で作成できます。遺言者が全文、日付及び氏名を自署し、押印して作成します。後から訂正する場合、訂正箇所を明記した上で、訂正したことを記入して署名をし、訂正箇所に押印する必要があります。簡単に作成できますが、偽造、変造のおそれが高いというデメリットも。
(2)公正証書遺言
証人2名(推定相続人・受遺者など関係者は不可)の立ち会いの下、遺言者が公証人に遺言内容を口授(口頭で伝える)し、公証人がこれを筆記して作成される遺言書です。「口がきけない」「耳が聞こえない」といった障害をお持ちの方も筆記や通訳を用いて作成することができます。原本は公証役場が保管しますので、変造、紛失のおそれはありませんが、財産の価額に応じて手数料が掛かります。証人は公証役場を通して、利害関係のない第三者に依頼することもできます。
(3)秘密証書遺言
遺言者が自筆証書遺言の方式通りに作成した証書を封印した後、証書に捺印したのと同じ印鑑を用いて封印した上で、その封書を公証人1名と証人2名以上の前に提出して、署名押印して作成する遺言です。遺言の内容は秘密にできますが、手続が煩雑である上、公証役場が保管するわけではないので変造の危険もあり、あまり用いられていません。
2.遺言の検認
遺言者の死亡を知った場合には、遺言書の保管者、発見者は、家庭裁判所で遺言書の検認をする必要があります。検認とは、相続人に遺言の存在と内容を知らせ,後の遺言書の偽造・変造を防止するための手続です。遺言の有効・無効を判断する手続ではありませんので、その後も遺言の有効性を争うことはできます。なお、公正証書遺言は検認が必要ありませんので、その点で他の方式より簡便であると言えます。
2012/3/21
弁護士 裵明玉
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