被災地を訪れて(陸前高田市)
2011年4月15日
被災地を訪れて
父がいとこの安否確認をしたいと言うので、3月末に父に付き添って陸前高田市に行ってきました。復興支援の活動をするわけでもないのに、現地を訪問して邪魔になってしまうのではというためらいはありましたが、父の「とにかくじっとしていられない」という言葉に動かされて、現地へ行くことにしました。
テレビで見ていた光景が目の前に現れたときは、現実感が持てませんでした。津波の破壊力を知りました。変な表現かもしれませんが、空が広いというか、大陸のようだと思いました。自分が今まで日本で見てきた景色と違うのです。がれきの山が広がる現地で、地図を見てもどこがどこだか全くわかりませんでした。
災害対策本部では、壁に貼り出された死亡者や不明者のリストを見て、緊張感を覚えました。
結局、何人かの親戚と会うことができたのですが、津波で亡くなられた方、行方不明になっている方もいました。被災を免れたある親戚の家を訪ねると、昼時を少しまわっていましたが、着いて草々に食事を出していただきました。私たちは、自分たちの食糧は支援物資とは別に持っていっており、またこんな状況下なので戸惑いましたが、せっかく出していただいた食事を辞退するのもどうかと思い、素早くいただきながらお話をうかがいました。
面会して安否確認をさせていただいた以外にはほんのわずかな物資を届けただけでしたが、行ってよかったと思っています。親族の結び付きを強め、復興支援に継続的に取り組もうと確認する機会となりました。親族を亡くした方の涙や、突然の来訪者への暖かな心遣いを今後忘れることはないでしょう。
帰りに寄ったサービスエリアで「岩手からの贈り物」というお菓子を見つけました。こんなときに土産なんてと思いましたが、被災地から発せられている何らかのメッセージのようにも思え、それを買いました。
生かされた者として、しっかりと日常を生きながら、支援活動を模索し、できることをやっていきたいと思います。
2011/4/15
事務局 熊谷
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