2010冬の青春18きっぷ――四万十川と高知・桂浜の旅
2011年1月25日
2010冬の青春18きっぷ――四万十川と高知・桂浜の旅
名古屋北法律事務所 参与 立木勝義
(掲載日:2011/1/25)
2010年冬の青春18キップは12月10日から翌年の1月10日までの31日間で、いつもの年より10日の短縮となりました。これは団塊世代が会社を退職して自由になって青春18きっぷの旅を楽しもうと利用客が増えてきたために、JR各社が合理化したためだと思われます。分割民営化で国民の財産をかすめとって「民営化」となったJRらしいといえばそれまでですが、残念です。
そういうわけで年内に3日間ぐらいは利用したいと当初、3泊4日で予讃線と土讃線と第3セクターの中村線を制覇する計画をたてましたが、直前で変更して2泊3日となり中村線は次の機会としました。
12月22日水曜日名古屋駅午前7時32分の新幹線ひかり号(ジパング倶楽部は「のぞみ号」は別料金のため)で岡山まで走りました。岡山駅から高松行き快速列車で四国地方に入りました。
愛称・瀬戸大橋線で「四国」へ渡る
新幹線岡山駅9時38分に着いた私は、駅構内でかき揚げうどん(450円)で腹ごしらえをすませ、四国方面の電車に乗ろうとしら早速に旅行日程表を紛失。今夜の宿は友人が手配してくれているので安心だが、2日目の宿屋の名前が分からないという不安を抱えての四国入りとなりました。
岡山から快速マリンライナー19号に乗り、15分ほどで本四備讃線(茶屋町〜宇多津間36.0km 愛称・瀬戸大橋線)の瀬戸大橋を渡る。列車の両側が瀬戸内海である。大きな貨物船が橋の下を航海している。初めての体験である瀬戸大橋線の列車は10時35分坂出駅に到着。ここで、高知、松山方面に乗り換えることになります。10時46分発琴平行きの2両編成の快速電車に乗り込み、途中多度津駅で土讃線・高知方面と分かれて松山方面に乗り換えることに。ここらあたりは、行程表を失っても元国鉄職員の私ですからうまく乗り継ぐことができました。
多度津駅で21分ほどの待ち合せ時間を利用して駅前をぶらりと散策。この駅が少林寺拳法の発祥の土地であることを知り、また、構内には明治時代のレンガ製の給水塔は100年近くの歳月が流れてという。旅の郷愁をさそう風景に出合うのもローカル線の旅の魅力のひとつです。
車窓から瀬戸内海を臨む
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「多度津駅」構内にあるレンガ製の給水塔(1913年製)
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秘境の宿「小薮温泉」
予算線は讃岐(香川県)の「高松駅」から瀬戸内海と宇和海に沿って伊予(愛媛県)とを結ぶ全長297.6kmの「四国の景勝路線」です。
多度津駅から松山方面の普通電車はほとんどなく、特急列車ばかりが走っています。松山までの普通列車は観音寺11時40分発のため、私は、やむを得ず多度津〜観音寺駅間を特急「はつかぜ7号」で時間を稼ぎ、観音寺に11時36分に到着するルートを選択しました。この間の料金は乗車券と特急券で750円の臨時支出です。
多度津駅から単線区間となるため下りの特急列車の到着を待って、1両だけの電車は時速110kmの高速で讃岐平野を快調に走りだしました。途中の「箕浦駅」(古い車掌車を代用している駅舎)から「伊予寒川」まで瀬戸内海沿いを走り抜けて伊予西条駅に停車する。鉄道雑誌で「水の都西条」と知って8分間の停車時分を楽しむ。今治駅で来島名産の「鯛めし」弁当(840円)を購入。タイのほぐし身の炊き込みご飯にエビ天とかまぼこがのっている名物弁当です。
瀬戸内海に面した「箕浦駅」(旧車掌車両の駅舎)
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松山駅から伊予市までが電化区間で、ここで内子周りの気動車列車に乗り換える。車内は全部が長椅子の普通列車で学生の帰宅時間となり、ほぼ満席になっていた。内子線の始発駅である「内子駅」に旧友が出迎えてくれる。今夜のお宿は駅から30分くらい走った山の中の一軒宿・秘境の湯「小薮温泉」である。温泉に入ったあとは酒をかわしながら国鉄時代の思い出を語り合いました。
友人は定年後、限界部落の村に戻り2年目の今年から地域の活性化プロジエクトチームの支援員として活躍しているようで頼もしい限りでした。
秘境の宿「小藪温泉」
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23日朝から日程を変更して、予土線(しまんとグリーンライン)の松丸駅まで友人の車で送ってもらうことにした。
この松丸駅は平成14年に温泉施設が併設された合築駅舎でホームの上には足湯もある駅として有名です。朝から日帰り温泉(400円)に入浴してから列車にのるという贅沢な体験です。松丸駅近くの酒造場などを散策して12時17分発の窪川行きの列車に乗りました。
松丸駅とホームが見える足湯
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2日目の旅は、清流四万十川の風景を楽しむことができる予土線(北宇和島駅〜若井駅間76.3km)の旅です。松丸駅から30分ほどで江川崎駅をすぎるあたりから「見えてきました!」あの四万十川に沿って、列車は穏やかな谷間を幾度もわたりながら走り抜けます。半家(ハゲと読みます)駅手前の半家沈下橋や茅吹手沈下橋を車窓から写真に収めることができました。
この「沈下橋」は川の増水時に水中に沈むように設計された橋のことで、橋の欄干がないのが特徴で橋を渡るときの気分は爽快な気分になるとのこと。一度は歩いてみたいですね。次に来るときはこのあたりで泊まりながら四万十川を味わってみたいものです。
半家沈下橋と茅吹手沈下橋
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土佐大正駅で停車時分が16分、この時間を利用して味わいのある木造駅舎を写真に撮り「予土線全線完成」の碑が建っているこの駅の列車の本数は一日7往復という時刻表を見ると「JR四国の撤退路線」の候補らしく、さみしい気分になりました。
若井駅は、「土佐くろしお鉄道」(旧・JR中村線)の分岐駅となり、ここから窪川駅までは別料金(200円)となるというなんともおかしな区間です。
窪川駅で待ち時間約1時間を利用して駅前近くのコーヒー専門店に入る。コーヒーの香りが漂う「どなあ」という名の店で客は私一人だった。品のある小奇麗なママさんの話では「窪川にも松葉川温泉がありますよ。ゆっくりしてくださいね」とのこと。「機会があったら立ち寄りますね」とお別れをする。駅近くの天プラ屋さんが珍しいグラム単位でさつまいものテンプラを売っていたので、30円で一ついただきながら駅に戻ることにした。
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「安和駅」から見た太平洋
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窪川駅15時発の高知行き電車に乗る。ここから土讃線(窪川〜多度津間198.7km)である。2人だけの乗客だったが、次の駅「仁井田駅」でそのおやじさんが降りてしまったので、ついに乗客は私だけの「独り旅」となってしまいました。
それでもローカル線は楽しいのです。ホームから海の見える駅として有名な「安和駅」で太平洋の海を写真に収め、つぎなる「須崎駅」では、ホーム上屋に古いレールが利用されている駅舎を撮ったりして、まさに独り旅の気楽さを満喫していました。この須崎駅で車両が増結されて3両編成となり車掌も乗ってきました。
「日下駅」は関所をモデルにした駅舎で駅前の広場では家族が野球に興じている等、なんとものどかで癒される感じでした。そんな穏やかな気分でいると列車は高知駅に滑り込み、今宵の宿「三翠園」までは路面電車にのってから宿の門をくぐりました。
のどかな風景
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48年ぶりに竜馬像に対面
24日、旧山内容堂家の下屋敷長屋が入り口なっていた旅館を後にして、8時07分発のバスに乗って桂浜へ出かけました。
美しい浜辺を散策したあと、竜馬像で記念写真をとり、しばし「世直しを夢見て」から高知駅に向かいました。この竜馬像は高さが5.3mで全体の高さも13.5mもあるそうで、「この場所からが一番」というタクシー運転手の声にひかれて記念の写真に収まることにしました。高校4年の春に訪れているので48年ぶりということになった。
高知駅を10時39分の電車に乗り、土讃線の旅をつづけました。
土佐山田駅でほとんどのお客さんが降りてしまいました。この駅は現在は3町が合併して香美市となり、アンパンマン作家の「やなせたかし」氏の出身地とのことでした。この山田駅を出ると峠越えとなり山深い線路に変わっていきました。1000/20の上り勾配が続き、いくつものトンネルをくぐりながら列車はスイッチバック駅の「新改駅」に到着。
四国内の標高が最高の347mの「繁藤駅」は、この深い谷の中に蒸気機関車が転覆した歴史があるのだと1合瓶で酒を飲みながら乗っていた地元の人が教えてくれた。
スイッチバックの駅「新改駅」
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土佐北川駅は穴内川の鉄橋の上にある駅として有名です。土佐岩原駅に12時27分に到着し、次はいよいよ平家落人伝説の秘境・奥祖谷(オクイヤと読みます)の玄関、大歩危駅です。高知県と愛媛県の県境のトンネルは長く土讃線最長の4179mを超えて大歩危駅へ。ここで2人のこどもが乗車してくる。ここから小歩危駅へ走る列車は、急流に削られた岩肌の渓谷美の吉野川沿いに進み香川県にはいっていく。
一日の平均乗降客が一人という秘境駅の「坪尻駅」も四国にある2つのうちの一つであるスイッチバック駅です。旅の思い出をカメラに収め、年末の四国の旅は終りになりました。岡山駅から新幹線で名古屋に着いた夜の7時すぎでした。
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私の目標 5年で、全国90路線、全国制覇を
今日の到達点 日豊本線(別府〜小倉)、鹿児島本線(小倉〜門司港)、山陰本線(幡生〜綾部)、舞鶴線(綾部〜東舞鶴)、小浜線(東舞鶴〜敦賀)、北陸本線(敦賀〜米原)の6路線
前回まで14路線+6路線 JR線/計22路線【第3セクター線/1路線】
残路線 68路線【私鉄/1路線】
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