相続登記の義務化
2024年7月1日
令和6年4月1日から、相続登記が義務化されました。相続登記が義務化されたのは、相続登記がされないため、登記簿を見ても所有者が分からない「所有者不明土地」が全国で増加し、周辺の環境悪化などの社会問題となっているからです
相続登記の義務化により、相続人は、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に、相続登記をすることが義務になり、法務局に申請する必要があります。遺産分割の話し合いで不動産を取得した場合も、別途、遺産分割から3年以内に登記をする必要があります。なお、令和6年4月1日より前に相続した不動産で、相続登記がされていないものについても義務化の対象になり、令和9年3月31日までに相続登記をしなければなりません。
正当な理由がないのに相続登記をしない場合には、10万円以下の過料が科される可能性があります。不動産を相続した場合には早めに遺産分割の話し合いを行い、不動産を取得した場合にはすみやかに相続登記を行いましょう。
早期の遺産分割が難しい場合には、「相続人申告登記」という簡便な手続を法務局ですることにより、義務を果たすこともできます。ただ、「相続人申告登記」の効果は限定的であり、相続した不動産を売却したり、抵当権の設定をしたりするような場合は、相続登記をする必要があるので注意が必要です。
不明な点があれば、法務局に問い合わせをするか、弁護士、司法書士などの専門家にご相談下さい。
弁護士 篠原宏二(名古屋北法律事務所)
(「名古屋北部民商ニュース」へ寄稿した原稿を転機しています)