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知って得する法律情報

女性議員の少ない国「日本」

2015年5月22日

「日本は世界で134位」

 これは何の順位かわかりますか?

 これは、世界189カ国の議会(下院)における女性議員の割合を並べた順位です。日本は衆議院480人中39人とわずか8.1%で1割に満たな いのです。当然ながら先進国の中では最低水準です。1位はルワンダ63.8%で、ドイツは21位、中国は62位、米国は85位、韓国は96位で す。

 憲法は14条で性別による差別を禁止しています。これは、戦前に女性が参政権もなく、男性に比べて権利の上でも差別が許されていたことに対する 反省が込められています。戦後70年経っても、女性が社会に出るのに未だ多くの障害があると言えますが、国の行く末を決める国会の議員にここまで 女性の数が少ないのは、男女平等という分野で日本の後進性を示すものだと言えます。

 昨年には東京都議会の議事の最中に、女性議員に「自分が早く結婚したらいいじゃないか」、「産めないのか」とヤジが飛びましたが、このようなヤ ジがされる背景には、女性が政治の場に出ることを未だに特別視するような風潮があると思います。

女性議員増加の必要性

 国の行く末を決める国会での議論、決議は、日本の英智を結集して行われなければなりません。社会における多様な価値観、利益、ニーズが反映されな ければ、民主的な意思決定とは言えないでしょう。一部の価値観やニーズだけが反映されるようでは歪んだ政策となってしまい、社会全体としても大き な不利益です。

 また、少子化対策、保育政策、学校教育等々の分野では、現実問題で、女性の意見が反映されなければ本当に良い政策や法律など作れないでしょう。 女性の社会進出を男性中心の議会で議論しても良い政策や法律が作ることができるでしょうか。

女性議員を増加させるには

 日本では国会議員へ立候補するのに性別による差別は設けられていませんが、一定割合にすべきといった規定もありません。現在、外国では、候補 者・議席の一定比率を女性に割り当てる「クオータ制」を導入している国があります。現在、100カ国において何らかのクオータ制を採用していま す。

 選ぶ側の視点で女性議員を増やすことも考えられます。例えば、比例名簿や小選挙区への立候補者の数で女性議員を積極的に候補者にしている政党に 比例代表で投票するなどの方法もあるでしょう。

 日本でもクオータ制を含めて、政治の意思決定の議会が男性中心となっていることの問題点を真剣に議論をするべき時期なのかもしれません。

弁護士 山内益恵(やまうちますえ)

(「新婦人きた」へ寄稿)

弁護士山内益恵の紹介はコチラ
http://www.kita-houritsu.com/lawyer/yamauchi/

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